愛知県岡崎市にある自然科学研究機構生理学研究所の柿木隆介博士によれば脳と言うのは優先順位として1運動2触覚3痛み4冷覚5かゆみの順で外部刺激を認識するそうです。
考えてみると、皮膚にはパチニ小体やマイスナー小体といった感覚受容器が存在し、そこに圧力が加わると触覚としてのインパルスが発生し、感覚神経を経由して脊髄の後根に伝えられる脳へと届き認識・識別されます。それが冷覚や痛覚より触覚が優先されると言うのはとても興味深いお話です。
私の手技の一つの別所先生による共鳴法や誇張法、愉骨と言う触れる、あるいは撫でるだけで骨の位置異常を整えるという方法にしろ、5gの圧をかけるというオステオパシーや手指、手掌を頭蓋骨に添えるクラニオセイクラルにしろみんな表皮に軽く触れる程度の刺激を入れるという面から言えば同じ理屈から説明されうる治療法のように思えます。痛みや冷覚の優先順位を考慮すると痛い治療は触るだけの刺激より脳が受け入れてくれないのが分かります。
この触るだけのような軽微な刺激は患者さんにとって心地良い治療法として最近、癒し系の施術として増えているように思います。
ひと昔前までには首や腰を矯正と称して捩じってボキボキ関節を鳴らして治った!とやるのをよく見かけました。触るだけのような刺激を身体の特定のポイントに加え、その刺激が脳の特定の領域に伝わり身体が解放もしくは快方に向かうような変化を起こすという方法。
情報化社会になり一般の人でもネットで身体に関する情報や治療法、施術法を調べ上げることができるようになりました。人体における新たな知見、発見も発表されそれらを使った治療法もどんどん生まれてきています。
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